カメラ

 
私の実家には カメラがなかった
田舎でも珍しいほうだったと思う
だから 一番幼いときの写真が 保育園での写真だ
一つ上の姉は 女の子ってことで 近所のだれかが撮ってくれたという 生後間もない写真がある
いいなー くらいにしか思ってなかったがカメラは欲しかった
最初にカメラ買ったら この実家を撮りたいな と考えてたのは覚えてる
(結局撮らなかったけど)
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すこし時が経ち 中学生のときだ
あの頃は 使い捨てカメラ「写ルンです」が登場したこともあり 自分たちでもお小遣いの範囲でなんとか手に入れることはできた
当時でも24枚撮りで1980円とかそんくらいやったと思う(うろ覚え)
問題は現像代
友達と一緒に写ると 焼き増しするか聞いたりもしてた
1枚40円とかそのくらいで(手数料取らず店の値段で)
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そして中学3年のとき 修学旅行の「アルバム委員」とおいうやつに指名された
カメラがないけど必要だからと親にねだった
買ってもらったのは 外国製の安物で 電池が入ってなければ軽いと感じるほどの重量しかないもの
いわゆる「バカチョン」
それでも300円くらいのフィルムで24枚撮れるようになるんやから長期的に見てお得な気がした
安物だけあって シャッターを押した感触が 使い捨てカメラ並
ほんまに撮れたのかどうかも疑わしいw
それでもフラッシュ焚いてたら 撮ったのが分かった
修学旅行の写真も無事に撮れて・・・ とは言え 大半が先生の撮った写真ばかりアルバムに使われてた
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中学卒業後のある日 自宅の近所に小学校の鼓笛パレードが来てたらしい
それで父が 私の部屋にカメラがあるのを思い出し カメラを探した
そして撮ろうと思ったら フィルムが入ってなかったらしい
帰宅後それが理由で怒られた・・・
なんでフィルムを入れておかないんだ! とw
フィルムは早く使って現像に出さないと みな真っ黒になってしまう(写真は真っ白に)
当時の安物のカメラでは常識やった
だから 24枚撮りのフィルムでも 16枚しか撮ってなかった場合 むりやりにでも残り8枚を撮って 現像するのが普通やった
それを父に説明したが「なんのために買ってやったか分からない!」と一晩中怒ってた
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それから数年後 とあるスキー場でアルバイトしていた
バイトはバイト同士 よくゲレンデで見かけるので すぐに仲良くなる
すると何人かがカメラを持ってきて 一緒に撮る
撮ったら人数分焼き増ししてて 写ってる人ごとに分けて
「だいちゃん 6枚 180円」「れいちゃん 11枚 330円」
みたいな感じで 封筒に写真入りで渡される
額が額なだけに いらない と突っぱねる人もいなかったんで それが普通になっていたが 明らかに
「なんでこの写真が?」 というのも混じってた
また 一人がこういうことをやると もらった人も 今度は私が という感じで 写真を撮る人が増えていった
写ルンですや 録りっきりコニカなどの カメラ付きフィルムも簡単に手に入った
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私の荷物の中には 封筒に入れっぱなしの写真が 何十枚もある
アルバムに入れようとも思ったが 多すぎて管理しきれないというのもあり 未だに箱の中で未整理のままだ
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時は進んでデジカメが登場
最初は高くて手に入らなかったが 2000年にパソコンを買う
インターネットを始め ネットでの友達ができると ホームページを見せられる
そこで私も写真を撮りたくなり デジカメを買った
まともなのを買うたのはこれが初めて
200万画素で4万円の FUJIFILM FinePix4500 というやつ
あの頃はこのスペックでも十分な性能やった
しかも現像に出さなくてもよかった
プリンターは持ってなかったけど そもそも壁に貼るつもりもないから印刷もしなかった
問題は スマートメディア だったこと・・・
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当時は京都に住んでいたので 風景を中心に 寺や桜やもみじなどを撮っていた
ホタルなんかにも挑戦してみたが そこは露出とか調整できない 単なる「夜景モード」までなので ぼやーっとしたものになった
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そしてここからが(私の中で)革命が起きる
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携帯電話にカメラがついたのだ
つまり 写メール
あの頃は J-PHONE にしか搭載されてなかったはず
写真も メールで送信できて 携帯電話の画面で見るためだけのサイズ
つまりちっさかった
それでもたまにしか携帯しないデジカメと比べて 活用チャンスはいくらでもあった
さらに簡単に削除できるから 持ってるやつらはみんな撮りまくっては「あげるね」と送信していた
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あぁ 現像して 人数数えて その分焼き増しして また枚数数えて そして封筒に値段書いて 手渡しで渡して 手持ちがなかったら「後でいいよ」
なんてやりとりは不要なのか
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しかもこの 写メ付きケータイ au や DoCoMo でも搭載される
私も便乗して買うてみた
D505iS だったかな? 200万画素
えっと 持ってるデジカメと同じ画素数・・・
当然撮り比べもしてみた
やはりデジカメのほうが断然綺麗やった
それでも「常に持ち歩いてる」という点で ケータイの利用率が増えた
デジカメは 「撮りに行くぞ」 というときでしか持っていないのだ
それにネットに載せる写真は 640×480(VGA)が最適なのでケータイで充分だった
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さらに デジカメのカードだった「スマートメディア」が 生産を打ち切った
SDカードが主流になったのだ
ソニーのメモリカードはまだあったが 対応してるカメラが少なかったので 事実上 SDカードが一般的になった
ますますデジカメの出番が減るとこだったが 画質がケータイよりははるかによかったから 撮ってはコピーして消す を繰り返した
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ケータイのカメラは1000万画素を超え デジカメと画質の変わらないようなのまで出てきた
2年前 ついにデジカメを買い換えた
FUJIFILM を気に入ってたので FinePix F200 を買うた
新型が綺麗なのは シャッターを押してから撮れるまでの時間が短い
あれ ピピッ!って鳴ってるから終わったと思って手を動かす人多いけど 鳴り終わるまで止めるつもりで撮影したほうがいいよw
そして SDHC メモリ
今までのスマートメディアは 16MB
いや 書き間違いではなく 16MB なのだ
今の FinePix F200 で使ってる SDHC メモリは 8GB
16GB もあるけど 高いから 8GB で我慢してるだけ
つまり 枚数を気にしなくてもよくなった
それでも1枚 2MB のサイズで撮ってたら すぐにいっぱいになるようで この2年で新しいのを買うた
それでも消さずに保存しておけるのはやはりすごい
スマートメディアのときは パソコンにコピーしたら 消さないといけなかった
それも1枚 200KB 以下のサイズで
とにかく画質も手に入れたので 撮るのがさらに楽しくなった
さすがに一眼レフみたいな高級カメラには遠く及ばないが^^;
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そして革命ではなく 一つの転換期を迎える
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iPhone を買うた
Mac は持ってないけど iPhone は登場前からチェックしてた
最初は予約できなかったので 2回目の発売日 7月26日に手に入れた
まぁカメラなんて正直期待してなかったし 実際あまり撮ってなかった
しかも日本のケータイが進歩しすぎて 画質の悪いのが目立った
そしてアプリの登場
最初に出たのはどれだったか忘れたけど トイカメラ系のアプリだった
作者は日本の方で 「どうせ綺麗に映らないなら 逆におもしろい仕上がりにしたかった」 とかなんとか
iPhone を買うときに アプリは買わない と決めていたので 無料のばかりダウンロードしていた
そもそも最初の1年は マップと SMS と Safari くらいしか使ってなかった
(それでも定額を超えてたので個人的には満足)
Twitter の無料アプリを知ってから 本格的に Twitter をチェックし始めて iPhone の情報を集める
で iPhone のカメラがおもしろいと気付く
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ただ iPhoneOS3になってから カメラロールがパソコンで認識できなくなってしまった
せっかくいろいろ撮ろうという気になってたのに・・・
(このころ カメラロール1万枚問題が発生)
なので撮っても iPhone でしか見れないこともあり Twitter で送信したいような写真くらいしか撮ってなかった
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iPhone4 に買い換えて Instagram が登場した
これは Twitter のようにフォローした人のが見れて 且つ自分のを誰かに見てもらえる
さらに 写真は正方形になり フィルタを自由につけて加工もできるのだ
それまでも Twitter に写真を載せるサービスはいっぱいあった
Twitpic MobyPicture Yfrog 携帯百景 Posterous フォト蔵 などなど
でもこれらは利用者がばらばらで インラインで表示してくれるのと してくれないのとがあり 使う人も見る人もばらばらだった
それが Instagram になると Twitter で見るのではなく Instagram で見る という形に変わった
もちろんこれは iPhone 限定なので ケータイ派や Android 派の人はわざわざ見てくれないこともある
それでもこのサービスは成功したようで 今でも私の周りでは利用者がたくさんいる
たしか類似サービスがいくつかあったけど 私はそっちには手を出してない
招待制だったっけ? 名前も忘れたw
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そんな感じで 毎日撮る という使いかたはしてないが
今までは 撮りに行ったら50枚くらい撮るが 撮らなければ半年ぶりに なんてこともあったのが
iPhone にしてからは 長くても1週間くらいにまで撮る回数が増えた
iPhone というか Instagram だからかな
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とにかく写真は撮るのも写るのもワリと好きやったのに カメラを持ってないことからスタートしたのが
今ではポッケからすぐに出せるようになった
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もし なんて言うても仕方ないことやけど
もし 生まれたときから iPhone みたいな手軽なカメラがあったら
生まれてすぐの写真とかもあっただろうな
よく遊んだ 秘密基地だの 裏山だの 川だの まぁ変なとこも撮ってたかな とか
最近は顔も覚えてないような友達だの 好きな子だのもまだ見れるのかな とか思った
夏休みの自由研究で 花の写真とか撮りまくってみるのもおもしろいかも
今ならネットで調べられるから 近所のアルバムなんかも… これ今からでもできるやんw
こんな話 今の若い子に 「今のうちにいろいろ撮っておきなさい」 なんて言うても
うるさいおっさんや くらいにしか思われないやろうけど それでもいろいろ撮らせてあげたいな
カメラを与えなくても 撮ってあげて その写真を保存してもいいし
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なんていうか
いい時代になったなぁ